大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和30(オ)447 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人井上忠己の上告理由第一及び第二について。

原判決は、その挙示する証拠を綜合して、DことEは、本件宅地を被上告人(被

控訴人)に買い受けさせることにし、被上告人を伴つて株式会社F銀行本店に赴き、

同銀行との間に被上告人を買主として本件宅地を他の宅地とともに買い受ける旨の

契約を締結した事実を認定した上、同銀行としては買主名義人をDとしたに止まり、

同人が買主でなければ売らないとしたものでなく、同人の指定したものであれば買

主は他の者でもかまわない意思であつたことが認められるとして、本件売買契約は、

同銀行と被上告人との間に成立したものとなすのが相当であると判示しているので

あつて、その判断は首肯することができる。そして、売主たる銀行の意思が買主を

Dに限らず他の者でもかまわない趣旨であつたことは、原判決が証拠として挙示す

る証人Hの第一、二審における証言によつて十分うかがうことができる。それ故、

原判決には所論のような理由不備、論理則違反その他の違法は認められず、所論は

結局原審が適法にした証拠判断及び事実認定を非難するに帰するので採用すること

ができない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

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裁判官 垂 水 克 己

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